おばけリンゴ
ヤーノシュのペーソスのある作品を子ども向けに。
ミュージカル風に楽しく仕上げました。
むかし、あるところにワルターと言う男の子が住んでおりました。ワルターはリンゴの木を一本持っていたのですが一度も実がなったことがありません。
ある、星のきれいな夜、ワルターは一心にお祈りをしました。「どうか僕の木にも花が咲きますように」
すると、その晩お星様が一つワルターのリンゴの木に降ってきました。ワルターは大事に花を育て、大きなリンゴにしました。
しかし、町ではかいじゅうドラドラが美味しいものを求めて大暴れしておりました…。
タイトルは「おばけリンゴ」から「かいじゅうドラドラとおばけリンゴ」に。
原作は政治的イデオロギーを感じるシニカルな絵本ですが、リンゴが巨大化して、がいじゅうが出てくるナンセンスさで子ども達を喜ばせたいと製作しました。原作が書かれた時代背景は旧ソ連邦時代で赤いリンゴは共産主義の象徴ではないかと読み取れます。(一般的にヨーロッパでのリンゴのイメージは青のはず)そして、怪獣はソ連で人々を苦しめているという姿が垣間見られます。
声の出演は宮城まり子さん。歌も軽快で楽しい作品に仕上がったと思います。しかし、角笛の作品づくりのコンセプトは原作に忠実な事なのですが。この作品はアイデアだけを頂いたと言う感じなので、途中「かいじゅうドラドラ」をタイトルにつけ、別作品であることを強調したこともあります。
原作
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ヤーノシュ
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訳
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やがわ すみこ「福音館書店」版より
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脚本
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山上 路夫
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演出
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宇田川 東樹
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音楽
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槌田 靖識
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声の出演
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宮城 まり子
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