小さな青い機関車
小さくたって力持ち
小さな青い機関車は小さいけれど力持ち、子ども達の人気者です。機関士のタップスさんに可愛がられて元気よく走ります。車庫の中で火事が起こると、汽笛を鳴らしてみんなに知らせたり、線路の上に座っている大きな牛と力比べをしたり、大活躍です。ある日のこと、みんなを乗せて海岸の街まで行きました。そして、友達になったネコと海を見に行きます。気分の良くなった青い機関車は歌を歌います。ネコ達はうたを楽しみ、お礼にあるものをプレゼントしてくれました…。
子ども達のこころを乗せて走る小さな機関車
子ども達にとっては高い段差を感じる駅や歩道橋の階段も大人にとっては何でもないように、大人にとっては起伏のなめらかな、ほのぼのとしたお話しの展開に、子ども達はハラハラドキドキで魅入っています。客席で機関車になったり応援する乗客の子どもになったりと、空想の中を飛び回る姿があります。子ども達を見ていると純粋な感性が伝わってきます。
当時、直木賞を受賞して間際の井上ひさし氏へ脚本を依頼しました。その頃は編集者が気安く「井上さん」と呼んでいた様で、初稿では「青い機関車」がD58を「でこはちさん」と呼ぶとD58機関車は「先生と呼べ、いや、でこはち様と呼べ」と敬称を付けさせるセリフがありました。ギャグで「井上先生」と編集者に呼ばれたいという若き日の願望を表現しているところが井上ひさしさんの人間味を感じます。
原作
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アーシュラ・フリハン
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脚色
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井上 ひさし
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演出
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さねとう あきら
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音楽
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宇野 誠一郎
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声の出演
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宮城 まり子
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